森林クレジットの活用
森林由来J-クレジット
を活用したい方へ
数あるクレジットの中から国内の森林由来クレジットを選ぶ理由は何か。国内の排出権取引市場の動向、吸収・除去系クレジットの位置づけについて解説していきます。
カーボンニュートラル
に向けて
2015年12月のCOP21(国連気候変動枠み組条約第21回締結国会議)において、パリ協定が採択され、カーボンニュートラルが世界的な長期目標となったことを受け、日本は2050年のカーボンニュートラル実現を宣言しました。2030年には排出量を46%削減(2013年比)することを目指しており、カーボンニュートラルの実現に向けて、クレジットの活用を含め具体的な計画へ着手する自治体や企業が続々と増えてきています。
J-クレジットを選ぶ理由
カーボンニュートラル宣言以降、日本国内ではカーボンプライシングに関する検討が活発化し、2023年度より開始されたGX-ETSへと発展していきました。GX-ETSとは、GXリーグ※1に賛同する企業※2が、「自ら目標を掲げて、GX投資と温室効果ガス排出量削減及び社会に対しての情報開示を実践する場」として開始されました。これは、日本初となる全国レベルの本格的な排出量取引制度です。
GX-ETSでは、超過削減枠(各企業の目標に対して超過削減できた差分)に加え、カーボンクレジットの取引が可能となっており、現状、日本国が関係する二国間クレジット(JCM)とJ-クレジットが適格クレジットとして認められています。これにより、日本の排出権取引市場では、J-クレジットの取引の活性化が見込まれています。J-クレジットは主に国内の省エネ・再エネ事業、適切な森林管理等から創出でき、J-クレジット取引では、脱炭素化に向けた国内の取組みを後押しすることができます。
※1カーボンニュートラルへの移行に向けた挑戦を果敢に行い、国際ビジネスで勝てる企業群が、GX(グリーン・トランスフォーメーション)を牽引する枠組み
※2日本のGHG排出量の5割以上を占める企業(2024年3月時点で約747社)が参画
吸収・除去系
クレジットを選ぶ理由
現行制度のカーボンクレジットを創出するプロジェクトは、排出回避/削減(以後、削減系)と除去/固定吸収(以後、吸収・除去系)の2種に大別されます。削減系のプロジェクトは将来的な排出量を減らすものですが、吸収・除去系のプロジェクトは大気中に存在するCO2を直接的に除去することができるため、気候変動対策への貢献度が高いと言われています。そのため、SBTi(パリ協定に準じた科学的知見に基づく排出削減目標のイニシアティブ)等、国際的なイニシアティブでは、長期的には削減系の利用を認めず、吸収・除去系のみの使用を認める方針です。現在、日本国内において入手できる代表的な吸収・除去系のクレジットとして、森林由来J-クレジットがカーボンニュートラルの実現において果たす役割が大きいとされています。