森の絆
森林由来J-クレジットの実施者と購入者の交流録
⼈吉市×浦安D-Rocks編 田んぼラグビー
2025年6月8日(日)に熊本県人吉市で第5回「田んぼラグビー in 人吉」が開催されました。このイベントには特別ゲストとして、プロラグビーチーム「浦安D-Rocks」の選手たちが参加。地元ラグビースクールの子供達をはじめ19チーム、約150名と一緒に、全身泥だらけになりながら、田んぼを走り回って楽しみました。
ラグビーのプロ選⼿も未経験者も、⼤⼈も⼦供も⽥んぼで躍動
2021年6⽉に第1回⼤会が開催された「⽥んぼラグビー in ⼈吉」は、その前年に熊本豪⾬で被災した⼈吉市を少しでも活気づけようと、地元ラグビー協会らが始めたイベントです。
熊本豪⾬は災害関連死を含む67名が亡くなる歴史的な⼤⾬でした。⼈吉市でも球磨川などが氾濫。2階建て家屋が⽔没するなど約3000世帯が浸⽔し、21名が犠牲となりました。


森林由来J-クレジットでつながった⼈吉市と浦安D-Rocks
第5回⼤会における浦安D-Rocksの参加することになったのは、同チームが⼈吉市の森林由来J-クレジットを購⼊したのがきっかけです。⼈吉市は2015年頃からスマート林業を開始するなど、先進的な森林管理を積極的に実施。2023年にJ-クレジットの登録認証を経て販売を開始しました。⼀⽅の浦安D-Rocksは、2023年にラグビー界初となるサステナビリティ宣⾔を⾏い注⽬を集めたチームです。気候変動や資源循環、⽣物保護などに対応するため、さまざまな⾏動指針や⽬標を定めました。
プロチームも熱中症対策など、気候変動の影響に苦慮
実は、スポーツの現場でも気候変動の影響は⼤きく、屋外スポーツの天候による試合中⽌は過去5年で4.7倍に増加。また、温暖化による熱中症の影響は深刻で、浦安D-Rocksも夏場の練習を朝晩に変更するなど対策に苦慮しています。ラグビーが持続可能なコンテンツであり続けるよう、環境課題に対するアクションを起こした浦安D-Rocksは、2023年からJ-クレジットの購⼊を開始。プロリーグ戦2024-25年の試合における選⼿の移動に伴うCO2排出量のオフセットを実現しました。他にも試合ごとにその⽇の試合で要したCO2排出量とオフセット量をスタジアムの⼤型ビジョンを映し出すなど、カーボンニュートラル推進の情報発信などにも⼒を⼊れています。2024年からは「森かち」を介して⼈吉市をJ-クレジット購⼊先の⼀つに。「⽥んぼラグビー」を継続的に開催するなど、地域に根付いたラグビー⽂化の存在が、プロラグビーチームの特性を⽣かした地域連携につながるのではないかと期待して、⼈吉市を選んだそうです。

ラグビーのプロ選⼿も未経験者も、⼤⼈も⼦供も⽥んぼで躍動
第5回「⽥んぼラグビー in ⼈吉」が開催された当⽇の朝は、分厚い⾬雲が空を覆うあいにくの天気。しかし、開会式が始まる頃に⾬は⽌み、丁度動きやすい気温の⽥んぼラグビー⽇和となりました。開会式で浦安D-Rocksに所属する地元熊本県出⾝の橋本法史選⼿と⽯⽥⼤河選⼿が紹介されると、⼦供達の驚きの声と⼤きな拍⼿が。浦安D-Rocksは「森かち」を運営する住友林業とNTTコミュニケーションズと共同チームを編成。普段とは異なる慣れないフィールドで、泥しぶきを上げながら⼀所懸命に⽥んぼを⾛り回りました。⽯⽥選⼿は「⽥んぼに⾜が取れられるので思った以上に疲れました。泥だらけになるからこそ、敵も味⽅も仲間意識が⽣まれますね」と試合後に感想を語りました。⼀⽅の橋本選⼿は⾃⾝が⼦供の頃に所属していたラグビーチームなどとの関係から前回⼤会にも参加。今回で2度⽬の⽥んぼラグビーです。「今⽇のように⽥んぼで思いっきり遊べるのは豊かな農地と⾃然があるから。⼦供達には熊本ならではの経験や思い出をたくさんつくって、地域の誇りを⼤きく育ててほしいですね」(橋本選⼿)。







